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映画 『僕たちは世界を変えることができない。』 を観た

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ショウコとサクを誘って、『僕たちは世界を変えることができない。But, we wanna build a school in Cambodia.』を観てきた。

原作は日本医科大学医学部在学の現役大学生・葉田甲太さんが書いた体験記(私は数年前に読んでいた)。
カンボジアとは大違いの、物質的には豊かな国・日本の、とりわけ裕福な家庭に生まれ育った私立の医大生が、「カンボジアに150万円で学校を建てる」ボランティアを知り、行動に移し、そして実現させるお話だ。

カンボジア・ロケの部分は、ドキュメンタリー風の作りになっていた。主人公コータ(向井理)は「資金集めサークル」の仲間と初めて訪れたカンボジアで、エイズ病棟、キリングフィールドやトゥールスレンの強制収容所跡(虐殺博物館)、地雷原、家の手伝いのために学校に行けない子供たち・・・と、ガイドのブティさん(★)に案内してもらい実態を知ることになるのだが、役を演じつつも素で感じ入って言葉を失っている向井くんたちと一緒に、我々観客も、絶句し、重苦しい気分にさせられる。
★ガイドのブティさんは、実際に原作者・葉田甲太さんを案内した方で、ポルポト時代に家族を弾圧によって失っているそうだ。「ゆで卵」のエピソードを語っているシーンは本当に嗚咽を漏らされていて、胸が痛かった。

映画では、資金の150万円を集める過程に彼らが経験したこと、その苦悩、苦労を通しての成長が丁寧に描かれていく。とってもいい。そして出来上がった小学校の開校式での、子供たちの溌剌とした姿、輝く笑顔には、目頭が熱くなった。

自分たちの小さな善意などでは、世界を変えることはできないと、主人公は知っている。でも、自分の内から湧いたものに従って、できることを、しようと思った。そして、やり遂げた。そのことの意義がストレートに伝わって来る素敵な物語だ。

何かに突き動かされて行動した者の思いと行為は、また別の人を動かして、拡散していく。コータが引用したマザー・テレサの言葉 「われ、大海の一滴の水とならん」 が心に沁みた。
by kktreasure | 2011-09-28 13:00 | 映画、テレビ、芸術

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