杉田の鞄です
2011年 10月 24日
その1。
60歳くらいのおじさん。
ソニーのウォークマンを操作してた。ウォークマンを見たのは何年ぶりだろう・・・。
洋服も、すごく古いもののようだったけど、不潔な感じは一切なかった。
モノを大事にする人なんだなぁ・・・と感心しながら、足下に置かれた大きなカバンを見たら、段ボール紙を蒲鉾の板くらいに切ったものに紐を通したフダが、持ち手に付いていた。
文字を読んだら「杉田の鞄です」と書いてあった。
杉田さんのそのカバン、杉田さんと何十年も一緒に過ごしているんだろうなぁ・・・
その2。
ときどき、いるけどね、イチャイチャが過ぎるカップル。
吊革につかまりつつ、2人の世界を展開するカップルのイチャつき方は
ちょっといくらなんでも見苦しくて、あとは寝室でやってくださいな、というかんじになったとき、
2人の前に座っていたおじいさんが、「あなたたちね、ちょっと場所をわきまえなさいね」と注意した。
そしたらカップルの男の方が、「うっせぇんだよ、くそじじい!」と凄んだ。
私が「ったく、しょうもないなぁ・・・」と思ったその瞬間、
そのおじいさんの隣に座っていた、風貌がほぼ土屋アンナな綺麗なお姉さんが
ガッと立ち上がって、持ってたバッグで2人をどつき、男に向かって
「さっきから鬱陶しいんだよっ! おまえさぁ、こんな女触って×××を△△てるんじゃねえよ!!(※)」
大きな声でそう言って電車を降りていった。
(※)×××は男性のソレを指し、△△は・・・、んーっと、その・・・、"変化してしまった状態"を指します。
か・・・かっこいい・・・。
周辺一同、クスクス笑いと小さな拍手に包まれた。
やるなぁ、アンナ。
その3。
夜の半蔵門線。
表参道で乗り込んだら席は全て埋まっていて、私は「うー、座れなかった・・・」と、吊革につかまって立ってた。
前に座ってる爆睡中のおじさん、隣に座って読書中の20代半ばくらいのお姉さんに、思いっきり寄りかかってる。
おじさん、体重乗せすぎ・・・、私だったらすっとカラダずらしたりして起こすなぁ・・・と思って見てたけど、
お姉さんは、何回か遠慮がちに、触れてる肩でおじさんの体をちょっとだけ押し返した後、おじさんが、ほんとにお疲れの様子で気づくことなく眠り続けてることを受け入れたみたいで、それ以降、かなり派手にイビキをかきながら眠るおじさんに、快く肩を貸し続けてた。
お姉さんの顔、とっても優しかった。