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生きてる母のことをお願いした父の七回忌

日曜日は、父の七回忌だった。
母と、娘3人とその連れ合い、孫はショウコ一人しか出席できなかった。
私も、父がもう亡くなって6年とは思っていなかったのでうっかりしてたんだけど、母が皆の都合を聞くのを忘れていて、ほんの数日前(!)に急に、お寺の都合で今度の日曜に法事をやることになった、などと言い出して、急遽決めたもんだから、孫6人(いずれも高校生と大学生)のうち、都合をつけられたのは、ショウコ一人だけだったのだ。
親族にも声を掛けなかったし、こぢんまり、な七回忌になった。


自由きまま、生涯子供っぽかった父が、今も殊勝に"お空から家族を見守っている"かどうか、あやしいもんだよね、などと、皆で話したけど(父よ、ごめん、1秒もしんみりすることのない七回忌だったね)、
それより今回、家族皆に対して露わになった母のぼけっぷりに私は、皆が集まる法要で、父が皆に、母の痴呆を心配せよ、よく見ていてやってくれ、と、母の状態を皆に思い知らせたんじゃないかと思った。

母は確かに最近、物忘れが激しいな…、新しい情報はとどめて置かれないみたいだな…、そうは思ってた。でも「老人の自然なぼけ」の範疇だろうと高をくくってた。

だけど法事の日の母、うーん、あれは…。
お寺に着いたら、「あ…、お花を全部、本堂の分もお墓の分も、家に忘れてきた」と言う。
それを伝えに住職のところへ行って、ちょっと青ざめて帰ってきた。「お花は後でいいから、ご位牌だけ先にお預かりしましょう」と言われたんだけど、位牌も家に忘れて来ちゃった、と言う。
(…??? 何しに来たの?の言葉は飲み込んだけど、ショックだった。いつものしっかり者の母は、そんなこと、200%しない。)
それから、忘れ物を取りに帰ったため法要が遅れて始まったので、お寿司屋さんの出前の時間を変更しなきゃと電話したら、そもそも母が電話して頼んであった時間が間違っていたことが判った。
また、妹たちからひそひそと、法事の連絡を取り合ってた段階での母が、伝えたことをすぐに忘れる、忘れすぎるから、調整が大変で、かなりイライラしちゃったと聞かされた。会食中の話も、(え…、さっき言ったじゃない…、もう忘れちゃったの?)と思うことの連続だった。
お湯を沸かしてることも忘れて危なかった、IHヒーターでよかったよ。


来春には、ショウコが就職で家を離れる。サクも留学することになるかもしれない。
「寂しいわねぇ…」と元気なく言ってた母が、急に心配になってきた。
可愛い孫が、いきなり2人いっぺんに家からいなくなるというのは、ちょっと配慮が必要になる出来事になるかもしれない…

しっかり見ていかなくては。
痴呆のこと、一応ちょっと勉強しとこうかな、そう思った。


「お父さん、みんなで最善尽くしますけど、空から見てて何かあったら、わかりやすく伝えてよね」

と、生きてる母のことをお願いした父の七回忌だった。
by kktreasure | 2011-11-30 00:54 | 未分類

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