嗅覚の話
2013年 08月 26日
昨日、階下の母に頼まれて、母の家の納戸の荷物を上げたり下ろしたりしていたら、いきなり、小さいころに住んでいた家の記憶が、ぶわーっと鮮明に蘇って、ちょっと驚きました。
開けた箱のひとつが、子どもの頃によく隠れた物置小屋の匂いだったからでした。
「匂い」は、嗅ぐとその成分は鼻の粘膜にくっついて、電気信号に置き換えられて、脳に伝えられるわけですが、このとき初めに伝達されるのは、脳の「大脳辺縁系」といういところです。
快・不快など「情動」に関わる古い脳ですね。
そこから、自律神経をコントロールしたり、体温やホルモンの調節をしたりする視床下部に伝えられる…。
情報を受け取ったときに、まず信号が知性に関わる新しい脳「大脳新皮質」の方へ伝わる視覚や聴覚と嗅覚は大きく違うわけですね。
本能を刺激します。ダイレクト。
嗅覚って鈍らせちゃだめだな、と思います。
嗅覚が鈍っていると危険信号をキャッチできないことになりますので。
ガス漏れに気づかない、とか、腐りかけの物に気づかない(腐りかけの物になんか、なかなか接しないか…)などもそうですが、怪しい人、ヤバい場所に対して、「なんかニオう」、「うさん臭い」と言います。
”なぜかわからないけれど、なんとなくまずい感じ” というのは、嗅覚を使ってキャッチするのですよね。
そういえば……と思い出しました。
友だちに一人、女性とは思えない野性的な人がいるのですが、その人、自分はアホだ、知性と教養が足りなすぎる、と言うのですが、とにかく”嗅ぎつける”人、直感の人です。
彼女は、目で見ても信用ません。言葉で言って聞かせても納得しません。
自分の嗅覚が頼りの人です。
彼女は優れた嗅覚があるから、なぜか危険を回避することができるし、軽々と人生を切り開いてるんだっていう気がしてきました。
ちょっと「鼻からの情報」を意識して過ごしてみよう。