車のトランクに死体を入れて持って行ける友だち
2013年 09月 03日
「友だちづきあいに疲れています」、
「友だちがいなくて大学では独りでランチをしていますが辛いです」、
「友だちとLINE上で微妙なことになり、仲間外れになってしまいました」
……「友だち」って…???と考えさせられる御相談を受けます。
ユング派の分析家・アドルフ・グッゲンビュールという人のお父さんが言ったという「友人とは…」という言葉を思い出します。これは以前、「天声人語」にも載りました。
「友人というのは、夜中の12時に、自動車のトランクに死体を入れて持って行って『どうしようか』と言っても、黙って話を聞いてくれる人」
だというのです。
なるほど、そうだなぁ…と思いました。
拒絶するでも怒るでも非難するでもなく、黙って話を聞いてくれる人、
「まあ、とりあえず上がれ。ゆっくり話を聞こう。それから一緒に考えよう」…と言ってくれる人です。
簡単にできる ”友だち” 、気を遣って頻繁にやりとりがないと続かない ”友情” …そういうものでも必要な時代というのもある、誰もいないよりはずっとマシ、ということもある…、そうかもしれませんが、やっぱり私は、心と心のつながり、信頼と尊敬が相互にある、本当の友人を一人でも持っているのがいいなぁと思います。
まだ出会えていなくても、自分が自分らしく自分を表現して生きていたら、いつかきっと、そんな本当の友人と、出会えるのだと思います。
「夜中の12時に、自動車のトランクに死体を入れて持って行ける友だち」
……貴方にはいますか?