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自分で居場所を決める 『WOOD JOB! 神去なあなあ日常』

『WOOD JOB! 神去なあなあ日常』を観ました。

『ウィーターボーイズ』『スゥイングガールズ』の矢口史靖監督の作品です。
今回は「林業」がテーマとは、矢口監督は面白いです。

自分で居場所を決める 『WOOD JOB! 神去なあなあ日常』_a0237268_20241674.jpg



主人公の勇気(染谷将太)は、大学受験に失敗し、彼女にもフラれた18歳です。
ふと手にした「林業研修プログラム」のパンフレットの表紙の美女(長澤まさみ)にツられ、なんとなーく参加するのことにするのですが…。

なんたってお気楽に生きて来た都会っ子、ケータイの電波もコンビニもなく、虫や蛇や鹿だらけのド田舎(和歌山の山奥の設定)で、ワイルドで荒っぽい山男(伊藤英明)らと、過酷な林業の現場で働き始めるものの、辛すぎて何度も逃げ出します(…が、都度失敗)。

それでも、休む間もなくやってくる新体験や、魅力的な村人たちとの野趣あふれる田舎暮らしをするうちに、勇気は少しずつ変化していきます。初めは、虫除けスプレーや汗取りシートが必要で、研修の終わる日を指折り数えていた勇気でしたが…。



オーソドックスなストーリーと言えるのかもしれませんが、「林業」という知らない世界のお話なので、都会っ子・勇気の目は、そのまま私たち観客の視点になるので、とにかく引き込まれます。

勇気の成長ぶりが瑞々しく鮮やかでした。
瞳も身体も気持ちも、ほんとにしっかりと変化しました。

CGなしで作ったという、千年桧を山頂から滑らせ落とす「奇祭」のシーン、そしてラスト……。

実に清々しい気持ちがしたのは、なんといっても主人公が1年かけて全身全霊で命の目覚める体験をして、そして、自分の居場所を自分で決めたから。



矢口監督が取材のときに林業家の方から聞いたという

「自分たちは、顔も知らない曾おじいさんあたりが植えた木を伐って稼いでいる。同時に、いま植えている苗は、自分らが死んだ後に孫やひ孫が伐って生活の糧にするんだ」

という言葉を、作品中、中村親方(三石研)が語っていますが、心に残りました。



『WOOD JOB!』……いい映画でした☆
by kktreasure | 2014-05-23 08:10 | 映画、テレビ、芸術

あなたの物語を大切にするカウンセラー郷家あかりの日常


by kktreasure
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