ここぞという時はしっかり悩んでみる
2014年 07月 10日
何か問題に直面して苦しい時は、早く答えを出してスッキリしたい、と思うものです。
でも、お客様のお話を伺いながら、「この方は、ここでしっかり考えて悩んで…と、時間をかけた方がいいだろうなぁ…」と思うことが、ときどきあります。
ご本人は辛いから、「どうしたらいいでしょうか」「早くハッキリさせたいんです」とおっしゃいますが……。
先日、離婚のことで来られた方のお話を聴かせていただいたときも、そう思いました。
その方は、
とっても大事なことなのに、ご夫婦で十分に話をされておらず、
大事な部分についても「きっと相手はこう思っているはず…」、「どうせ △△△ ってところだと思います」と、ご自分の想像で話を作っているばかりだったのです。
輪郭のハッキリしていない、中身もその方の脳内で作ったストーリーでしかないような結婚生活をお終いにしたところで、その方の〈その後〉に生きない…、私はそう思いました。
ですから、
「たとえば、とりあえず3カ月と期限を決めて、離婚は保留にして、迷ってみませんか?」
「その間に、出来ることをしてみませんか? 婚姻関係をどうするか、ということもそうですが、今の辛い状況が伝えてくれているご自身の『課題』を見てみませんか?」
とお勧めしました。
「保留」というのは不安定な状態を作るので、しんどいものです。
でも、しんどいからと言って "さっさと結論を出してスッキリ"…しかできないでいたら、いくつになっても器の大きさを ちっとも広げられないんじゃないか…と思うのですね。
それに、その不安定さの中、混沌とした状態の中には必ず
"動くもの" があるのですが、それの持つエネルギーって大きいのです。
次のステージへ移る原動力になってくれます。
だから、人生に何度か、ここぞという時は、
辛くてもそこに踏みとどまって、しっかり迷う、存分に悩む
ということをしてみても、いいんじゃないかと私は思います。