『役割期待』を考えてみる
2014年 11月 20日
『役割期待』という言葉があります。
社会学や心理学で用いる語ですね。
たとえば私「郷家あかり」は、
相談室のお客様からは「カウンセラー」という役割を期待され、
主人からは「妻」の役割を、
子どもたちからは「母親」の役割を、
母親からは「娘」、妹たちからは「姉」、友人からは「ともだち」の役割を期待されながら生活しています。
みなさんも、『役割期待』 をしたりされたりしながら生きてらっしゃいますね。
親へ、子どもへ、配偶者へ、恋人へ、上司へ、部下への「役割期待」、
親から、子どもから、配偶者から、恋人から、上司から、部下からの「役割期待」。
あるいは、乗った飛行機の操縦士や乗務員には「安全に快適に目的地まで連れていってくれる役割」を、レストランで隣の席に座った家族連れには「騒々しくしたりして境界を侵して来ることなく食事をする隣席の人の役割」を期待します、無意識に。
私たちが対人関係上のストレスや悩みがある、というとき、
この 『役割期待』 を考えてみることから解決していくことがあります。
Aさん(20代男性)は、会社の上司との関係がどうにも耐え難い、ストレスから体調不良になっている、ということでご相談にいらっしゃいました。
そこでAさんの、その上司に対する「役割期待」を一緒に考えていったのですが、
その作業から、Aさんの「上司」というものに関する「思い込み」(上司なのだから〇〇して当然だろう、上司たるもの〇〇であるべきだろう、というもの)が幾つも見つかりました。
そしてそれは、必ずしも適切ではなかった(理不尽であった)ということ、
自分にとっては、「上司(の役割)= 父親(の役割)」になっていた、ということに、気づかれました。
上司にお父さんの役割を求めていたということ(当然、それは果たしてもらえません)を実感し、では自分は父親との間にどんな未消化な問題を抱えているのだろう…とフォーカスし直せたことで、その上司との関係についてのお悩みは わりと簡単に手放すことができました。
体調も快復し、これから、本来のテーマに取り組んでいくことになりました。
『役割期待』 という視点、なかなか役に立ちます★