頭から離れない
2015年 05月 26日
セッションの後いつまでも、その人のことが頭から離れない、というお客様(男性)に出会いました(スカイプセッションでしたが)。
二度とお会いすることはない方です(会いたいと言われたらお断りするよりほかない方)。
普段からクライアントさんとの "セパレーション" は丁寧にやっていますが、今回は特に丹念にやりました。何度かやりました。でも、うまくいきませんでした。
初めての経験です。
心が相当ショックを受けていて、ずずーんと沈んでいます。
「どんな方のどんなご相談でも大丈夫」というふうに思ってやってきたけど、大丈夫じゃない人に会ってしまった・・・ということだと思います。
たとえば・・・
たとえばですが、子どものころ親から、肉体的に酷い暴力を振るわれていた人がいたとします、日常的に。
そうすると、心もですが、身体の傷が なかなか癒えなくて、いまでも「怪我させられた足の傷が痛む」とか、「いまも腕に傷が残っている」とか、そういうこともあるでしょう。
辛いですよね。
でもその人は、そういう話で言えば、「腕が、足が、切り落とされてしまっていて無い」ようなものなのでした。
その傷を癒しましょうなどとは言えないレベルで性的に傷つけられ歪められており、たぶんそれは、もはや「トラウマ体験」などという言葉では表せないものでした。
本当に凌辱の限りを尽くされているのでした。
しかも、ご本人は、そのことがどれほど酷いことなのかを解っていませんでした。
微笑んでいました。
酷い目に遭ってきた話を笑って語る人は多くて、そんなとき私は「笑えないですよ・・・」「笑っちゃだめですよ・・・」と言うことがありますが、
彼に対しては、なんとかそのまま笑っていてほしい、と祈ってしまいました。
親の罪、その重罪を、私が問うことは出来ないし、「罪」について語っても仕方がない。
でも、とにかく衝撃。とにかく脱力。
悲しくて悲しくて、黙るよりしかなかったです。
その日以来私は、
せめて彼のいる世界に、彼が受け入れられて安らげる場所がありますようにと祈りながら、
世の中には、そんな目に遭ってもなお、ああなのかな? こうなのかな? 何ができるかな? と希望を捨てずに健気に生きている人がいることを想い、いろいろなことを考えています。