“底なしの「愛されたい」” はなんだったのか
2016年 10月 23日
Aさん(30代女性)。
綺麗な方ですが “いかにも” なファッションやメイクを敢えてせずに、清楚系に見せながらの、まさかのワザで、次々と男性を落とし・・・ということを続けてきたんだそうです。
そのエピソードは凄まじいもので、私は興味深く聴きましたが、人によっては拒否反応が出て聞けないものだろうと思いました。
とにかく「ひっきりなしに、次々」なのでした。 ターゲットにする男性のタイプは幅広いのですが、相手の好みを見抜いて上手に気持ちを掴むテクニックは、もう「師匠!」と呼ぶレベル。
それ以上、関係を深めず(深められず)、お別れです。
私は、痛々しいな・・・と思いながらお話を伺っていましたが・・・
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初回の面談から1年近く経って、Aさんは突然連絡してきました。
「お話があります、聞いてほしいです」
「私はとにかく ちやほや されたかったんです。求められたかったんです」
「男から求められる快感は麻薬のようでした。中毒ですから薬がキレたら猛烈に苦しい。だから次を求めるしかなかったんです」
「それでも、いつもみじめで寂しかった。当たり前です、本当の自分を見せず、関係を築くということが全く出来ていなかったんですから」
「自分の “愛されたい” は底なしだと思いました。本当は愛したいし愛し合いたいけど、愛されたいが強すぎるから、そこへたどり着けなかったです」
「郷家さん、私もういやだ。でも、どうしたらいいでしょう・・・」
「私、人として終わってるんでしょうか・・・」
終わってなんかいないです。
というか、既に分かっていて、それを語れていますもん、もう次へ行けるはず。
Aさん、「自己嫌悪でベッドから出られなくなった日に、自分の心にあるこのデカい底なしの箱に男、男、男、男、男・・・男を入れ続けててもダメなんだと気づいた」 のですって。
「自分のダメ親父(たくさん暴力を振るった人で、アル中→肝硬変で亡くなっています・・) は、自分の底なし箱に、酒、酒、酒・・・と酒を注ぎ続けて、なぜ満杯にならないんだ!なぜ心が寒いんだ!?って叫びながら死んでいったんだな。哀れだな。・・・て、あ!!!私も同じじゃないか!!!って気づいた」 のですって。
突然やってきたという気づきの告白に、私、胸を打たれました。
“ク〇ビッチ” であろうと何であろうと、やりきって、そしてしっかり学びを得た人は美しいな、といつも思います。
Aさんはこれからセラピーに取り組みます。
今も愛情飢餓状態で心の中にいる「リトルAちゃん」を、救出、養育していきたいのだそうです
(※Aさんの許可をいただき書かせていただきました。)