『プリズム』 (百田尚樹・著)
2011年 10月 16日
新聞広告を見て、つい購入(幻冬舎の広告にはたびたびノセられて買ってしまう)。
あ・・・もしや・・・と、わりとすぐに「解離性人格障害」の話?と気づいたのは、
1996年にNHKでやったドラマ 『存在の深き眠り』 (ジェームズ三木・作、大竹しのぶ・主演) を見ていたからだ(★)。
聡子の身になって結末まで一気に読んだけど、やっぱり人格交代についてはおもしろかった。 そして、最終的には(治療が完了するとしたらそれは)それまで別々の人格で別々の人生を送ってきた「副人格」たちが、もとの「主人格」に統合されてしまうということで、自分の愛した人が ”消えてしまう” わけなので・・・、それは、その副人格が生まれてしまった原因とともに、本当に切ないことだ。
最後のシーンは、悲しくてほろっとなった。
でも、聡子と卓也の交流、互いに抱いた気持ちの描き方が、今ひとつ不十分だったような・・・。
そこがもっと濃密だったら、かなり泣ける、新しい恋愛小説になったような気がする。
★『存在の深き眠り』・・・DVDで発売されてないんだよな・・・。
あれは大竹さんの演技力の凄さもあって、ほんとにおもしろかった。
大竹さんは、あのドラマの後、心療内科通いをしたと聞いたっけ。
副人格の直美が "消える前" に「先生(細川俊之)、踊ってよ」と
言うシーン、きゅんとなったなぁ・・・。