人気ブログランキング |

「なかったこと」にしない

この間、実家(自宅の階下)に集まった甥っ子姪っ子たちの話を聞いていて、ちょっと考えてしまったことがありました。



彼らは全員、高校生と大学生。

毎日長い時間、学校で、放課後のファーストフード店で、そしてケータイで…、友達と会話し "繋がっている" はずの彼らですが、友達の感情的な部分に決して触らないように努めているし、自分もネガティブな感情については、極力話さないようにしている、ということです。



親友のおばあちゃんが「亡くなったみたい」と言うので、
「え?『みたい』って…?」と驚いて聞き返すと、

「だって、悲しい話だもん、詳しく聞けないでしょ?」



「クラスに対立があって、学校に来れなくなっちゃった友達がいる」と言うので、
「心配だねぇ…」と言ったら、

「うーん、よくわかんない」



進路のことで悩んでる、と言うので
「友達同士で話さない?」と聞いたら、

「話さないかな。重いでしょ、そういうのは」


なるほど、悲しいのとか重いのとかは、NGなんだ。


そんな感じでうまくやってるのね…と思いましたが、つらいことがあっても、不安や怒りや悲しみを感じても、そういうマイナスな感情は、出来るだけ「なかったこと」にしちゃうんだな…、「明るい」ことが大事なのね…、でも、寂しくなること、ないのかな…、そう思いました。




心の奥のほう隅のほうへ追いやってしまった感情って、沈殿させられただけだから、消えてなくなるわけじゃなく、いつまでもあって、いつかは浮上してきます。


学校でも家庭でも、ネガティブな感情をどうしたらいいのかなんて、あまり教えてくれないでしょうけれど、出来るだけ、まずは自分の感情を、「ああ、そんなふうに感じてるんだね…」と、優しく抱きとめてあげてほしい。


もし、自分ひとりでは持て余す、無理、そう思うなら、信頼する誰かに打ち明けてみてほしい。

そして、大事な友達のネガティブな感情も、「OK、よかったら聞くよ」と伝えてあげてほしい。


受け入れられた感情は、必ず動き出します。変わっていきます。

受容によって共感によって、癒された、変わった、という体験ができたら、それはお互いにとって、とっても貴重な体験になると思うのです。

ただ明るく過ごすことなんかより、ずっといいと思うけどな…、
そんなの無理か。





重松清原作、中西健二監督の映画『青い鳥』を(2008年)を思い出します。

いじめられ自殺未遂をして転校していったクラスメイトのことを、残った生徒たちには忘れさせよう、なかったことにしようとした学校に対して、阿部寛演じる臨時教員が、虐められた生徒を忘れてしまうのは卑怯だと言って、それを許さず、生徒に「本気で向き合うこと」「相手の気持ちを想像すること」「ちゃんと伝えること」を教え、初めは反発した生徒を大きく変えて、去っていく……。

素晴らしい作品でした。





「なかったこと」にしない。

まずはちゃんと感じてあげる。


そうしてほしいなぁ…。


片時もケータイを離さず、しきりに受信と発信を繰り返している彼らを見ながら、そう思わずにはいられませんでした。
トラックバックURL : https://kktreasure.exblog.jp/tb/18043034
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
by kktreasure | 2013-07-05 10:23 | 子供たち | Trackback | Comments(0)

あなたの物語を大切にするカウンセラー郷家あかりの日常


by kktreasure
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30