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「凍結」してあった心


数か月前に何度かいらっしゃったお客様・Sさん(30代男性)から、お便りをいただきました。
(ブログで扱うご許可をいただきましたので、その一部をご紹介します)


郷家さん、あれから本とか映画とかで泣くようになりました。
よく眠れるようにもなりました。
食事も美味しいとか不味いとか感じるようになりました。
あと、肩凝りに気づいて、生まれて初めてマッサージに行きました。
それで不思議ですが、肩凝りがあると気づいたことと、それを治したいと思ったことが嬉しかったんです。……



Sさんは、早くに御両親を亡くされ、その後、親戚をたらい回しにされ、お友達もおらず…、ずっと「何にも期待せず、ただ生きていた」とおっしゃっていました。

それが、私のところへ「なぜか半生を語りたくなって」いらっしゃって、たくさんのお話をされるうちに、ご自分の中に抑圧してきた辛い感情がおもてに出るようになりました。

それで、体の様々な感覚も取り戻していかれたのでしょう。

そのまま感じてしまってはとても生きてはいかれない…という辛すぎる感情を持つと 人は、それを感じないようにするために、無意識に、心全体を操作し統制をかけます。

怒りや哀しみや寂しさだけを感じないようにするということはできないので、楽しみを禁止し、睡眠を浅くし、喜びを制限し、体をつねに緊張状態に置きます。

ぐっすり寝てリラックスし、ご飯を美味しく食べ、ゲラゲラ笑って、その一方でネガティブな感情だけを感じないようにする、などという器用なことはできませんから、心はその全部を『凍結』するのですね。

Sさんもまさにそうだったと思います。
カウンセリングの中で「寂しさ」が浮上したことで様々な感情が流れ出し、心が緩んだことでやっと、体の凝りへ意識が向いたのでしょう。

「肩凝りを知って嬉しい」というのを「変ですね」とおっしゃっていましたが、私はすごく嬉しかった。
これからはそうして、自分の心と体を、大事にしていかれるのだろうなぁと思うからです。

Sさん、≪感情≫ とのつきあいも、ようやく始まりました。
うんと仲良くしていってほしいと思います。

感情は、感じるためにあるのですから…。
by kktreasure | 2013-12-01 09:56 | お客様のおたより

あなたの物語を大切にするカウンセラー郷家あかりの日常


by kktreasure
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