30歳前後は "脱ぎに来る"
2015年 02月 27日
「年齢(初回来室時)」の最多は 28歳でした。ダントツです。
(ちなみに、2位は29歳、3位は31歳・・・やっぱりアラサーです。)
あの顔、この顔・・・思い出しますが、みんなに共通しているのは、"重い服"、"合わない服" を着ていることでした。
子どもの頃から、親御さんがよかれと思って、または自分の趣味で、あるいは無造作に、着せてくれた洋服・・・
本人、暑がりなのに、物凄い防寒服・・・
鮮やかな色が似合うのに、地味な色・・・
山へ行きたいのに、高級なスーツ・・・
それは、不自由だったり、不快だったりするんだけど、でも一人では脱げない。
親に申し訳ないと思っているか、そもそも脱げると思っていない。
それを、相談室へ、脱ぎに来るんですね。
アニメの『アルプスの少女ハイジ』を思い出します。
ハイジは、母親に代わって育ててくれたデーテ叔母さんに、アルムの山小屋に住むおじいさんのところへ連れて来られた時、何枚も何枚もの服を着せられて窮屈そうでした。
それが、山に着いて、気持ちのいい広大な野原で、ハイジはその服を、ぜーーーんぶ脱いでシミーズ1枚になってしまうんですよね。
呆気にとられ、服をかき集めるペーターに、その服あげる、もう要らないの♪、と言います。晴れ晴れとした、すごく可愛い笑顔でした。
「もう要らない」を言うには、大きなきっかけと勇気が要りますね。
でも、30歳前後って、そのきっかけになる出来事がうまい具合に起きる年齢のように思います。それが、相談室のお客様の最多年齢に表れています。
20歳で「成人」と言われ、10年いろいろ頑張ってきて、そしていよいよ、30歳で真に自立した大人になっていくのかもしれません、自分が着たい服に着替えて。
みんな、おそるおそる脱いで、自分が着たい服を思い出して、そして、ちゃんと着替えをして帰っていきます。
いいなー! 応援しますよ、頑張れ アラサー!!