「人を羨んでいた頃はわからなかった。これが僕の仕事なんだ」 ~ドラマ『重版出来!』
2016年 04月 25日
今期は面白そうなものが多くて録画が溜まり、観るのが大変です(て、誰にも頼まれてないんだけど)。
その中のひとつ、あんまり期待してなかった『 重版出来!』。
見てみたら、とっても面白くて、う~んいいドラマだ!と感激しています。
主人公は、出版社のコミック誌編集部に配属された、新社会人・黒沢 心(演・黒木華さん)。
柔道で鍛えた真っ直ぐで健やかな〈幹〉を持ち、キラキラ光る 良く動く瞳をして、全身で新しいことを見聞きしては驚き、体験を吸収していく、パワフルな新米編集者を、黒木さん、好演しています。
"和服着て割烹着" の役より、ずっといい気がします。
第2話は、
「ほんとは編集部に入りたかったのに営業部に配属されてしまい」、「いつになったらこんな毎日を抜け出せるんだろう」と「異動願を3年間出し続けている」という営業3年目の小泉(演・坂口健太郎さん)のお話です。
小泉は、希望していない部署にいる自分の不遇を嘆いていました。
「頑張る」って言葉が嫌いで、ヤル気なし。
体温低い感じで、「幽霊」というあだ名をつけられていたのですが・・・
新人の心(黒木さん)とコンビを組まされることで、熱意のカタマリみたいな彼女に触発され、動かされ、目覚めさせられ、ひとつ大きく越えます。
そして、「重版出来」に漕ぎつけます。
上司である営業部長(演・生瀬勝久さん)が小泉にかけた言葉
「自分の立ってる場所がわからないうちは、どこにも行けないと思うぞ」
「俺たちが売ってるのは本だが、相手にしてるのは人だ。伝える努力を惜しむな」
「俺たちの思いを、書店員の方に伝えて、お客様に届けてください」
には、ぐっときました。
また、心の上司、編集者の五百旗頭さん(演・オダギリジョーさん)の
「面白い漫画が必ず売れるとは限らない。
でも、自らがアイデアを出し、動く営業、協力的な編集者、作品を愛してくれ推してくれる書店員さんたち、この三者がしっかり手を繋げば、作品が大化けする可能性がある」
という言葉にも、なるほどそういうことなんだなぁ・・・と。
自分が書店で目にする 企画コーナーや書店員さんの手書きポップ、作者のサイン色紙・・・そんなものを思い浮かべましたね。
皆さんは、書店でふと手にして出会った本やコミックに、救われたり支えられたりしたことってありませんか? 私は何度かあります。
「頑張れって言葉が嫌い」、「頑張れ頑張れって、頑張れのインフレが起こってげんなりする」と言ってた小泉(坂口くん)が
「僕は頑張る。いま頑張らなかったら、僕は一生 幽霊のままだ」
と言った時、それから、
「人を羨んでいた頃は、わからなかった。
これが営業の仕事。これが僕の仕事なんだ」
と言った時・・・、目頭に来ました。
いい顔するんだよなぁ、坂口くん!
「みんなー! 自分の仕事をしよう!! 本気で仕事しよう!!」
・・・そんなふうに言いたくなる、元気の出る素敵なドラマです☀