日常生活が充実していない人が「霊的に成長したい」と言っても、それは難しい
2016年 07月 18日
「私は衣食住への物質的なこだわりがないし、物欲もあまりありません。
物に囚われた生活を卒業して、より霊的に目醒めた存在になっていきたいと思っています」
ときどき、そのように言い、スピリチュアルなことを学びたいという相談をされる方があります。
でも大抵、そういう方というのはグラウンディングができていなくて、なんといっても希薄でアンハッピーなオーラをしているので、
「まずはしっかり地球に繋がること」、そして、「一人で生きてるわけじゃなくて、目には見えないけれど、様々なものと繋がり合い支え合って存在してるってこと」を意識出来るようになりましょうか(^-^)
とお話しします。
勘違いされてるんですね。
物欲をなくし、俗世を離れるようにしてじーーーっとしていたら、オーラも清浄に保たれ、霊的に成長し上昇していけるはず☆、第三の眼も開き透視もできるようになってくるかも☆、と。
でも、肉体的なところ、地上での暮らしを、整えて充実させることを蔑ろにし、スカスカにさせたままで、覚醒とか成長は、難しいと思いますね。
「物欲」も、それにまみれたり、しがみついたり、溺れてしまってはマズいですけど、ちゃんと持っていなくては・・・。
衣食住もすごく大事。
パワーのない、作り手の思いも感じられない、手軽な物ばかりを食べ、
季節やTPOに相応しくないもの、自分に合わない衣服を身につけていることに鈍感で、
住まいを清潔に整然と保てず、「場」の持つ力に気付けないとしたら・・・
それでは、精神的な成長も霊的な目醒めも何も、ないでしょう。
肉体の望んでいること、心地よさ、ハートの歓び・・・そういうものをしっかり感じ取り、「物」を使って、自分を守ること、慰めること、元気にすること、鼓舞すること、成長させること・・・に意欲的であること、それをマスターしていることって、すごく大事なのです。そこからなのです。
地球で生きてる人間だもの ★
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
朝ドラ『とと姉ちゃん』。
先週は、「女性の役に立つ雑誌を作りたい」のに苦戦していた常子(演:高畑充希)が、天才編集者・花山伊佐次(演:唐沢寿明)に編集を手伝って欲しいと熱心に頼み込みながら、戦後の今の女性たちに真に必要な雑誌はどんなものかに気づいていく過程が描かれていました。
戦争によって言葉の持つ力の恐ろしさを知り、もう二度とペンは持たないと決めていた花山でしたが、常子の言葉と熱意に心を動かされ、
「私は戦争中、男には、毎日の暮らしなどより、もっと大事なものがあると思い込んできた。しかし、そんなものはなかった」
「毎日の暮らしを犠牲にしてまで守って戦うものなど何もなかった。毎日の暮らしこそ、守るべきものだった」
と語っていました。心を打つシーンでした。
物がなさすぎたその時代と 物がありすぎる今の時代は、大変さが真反対ですが、日常の丁寧な暮らしこそ大事、というのは同じですね。
私たちはスピリチュアルな存在でもありますが、肉体(=物質)的な存在です。
物に溢れる今は、そこでの暮らしに嫌気がさして「何も要らない」「物欲なんて無い」のほうへ極端に振れてしまうのも解らないではないですが、
そうじゃなく、自分と自分の周りが どんな「物」と在りたいのかをしっかり見極め、意識的に良品(高級品とは違います)を手にしたい、ささやかでも内容に拘ったお気に入りの日常を慈しむことを大事にしたい、と思います。
「物など、もう要らない。私はスピリチュアルな進化をしたい」は難しい
というお話でした★