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「影(シャドウ)」の肩代わり

ユング(スイスの精神科医・心理学者) は 「影(シャドウ)」 という概念を提唱しました。


私たちは、社会に、そして自分の人生に、自分を適応させるために、「仮面(ペルソナ)」 をつけて生活しています。

そして、「好ましくないと思っている/都合の悪い 感情や欲求」 を、無意識化に抑え込んで生きています。

自分から切り離して(切り離したことにして)、無かったことにしています。


その、抑圧された感情や欲求のことを「影(シャドウ)」と言うんですね。



「影(シャドウ)」の肩代わり_a0237268_13390424.jpg



この、"無かったことにしている" シャドウなのですが、

見えにくい場所に隠しているだけで、無いわけでないわけですから、

じつは無意識の領域から、私たちを振り回してきます。


「なんでそのことになると モーレツに怒るのかなぁ…。実害があるわけじゃなかろうに…」

という人がたまにいますが、

それなどは、ある特定のことがらがシャドウを刺激しいる現象で、「シャドウに振り回されている」という言い方ができますね。




また、あまりにも強くシャドウを抑圧している場合、

その人のシャドウを、その人の家族や身近な人(子どもとかパートナー)が、その人に代わって表出・表現する場合があります。


心理学者の河合隼雄先生は それを、「シャドウの肩代わり」 とおっしゃいました。


たとえば、親が、自分の気持ちや欲求を過度に抑圧してフラストレーションを抱えていると、子ども(特に感じやすい優しい子)は、その重いキツい感情やフラストレーションを引き受けて、"問題" を起こしたりします。

代わりに発散してくれている、ということです。


それがわからない本人(親)は、子どもの問題行動の方をなんとか解決しようとするわけですが、それでうまくいくことはないわけです。


また たとえば、自分の暴力性に気付けずにいると(キツく抑圧をかけていると)、パートナーがやたらと暴力的、という構図を作る…ということもあります。




よく言われるように、周囲の人は「鏡」です。

「鏡」に好ましくないものが映ったら、鏡に文句を言っていないで、自分の心を覗いた方がいいです。


特に幼い自分の子どもには、自分のシャドウを肩代わりさせることのないようにしたいですね。

これ、ほんとに多くの親がやってしまいます。

私自身も振り返ると……やってましたね(心が痛む…汗☆)。




自分のシャドウと向き合って、抑えてきた(自分から切り離してきた)欲求や感情に気づき、統合していきたいですね。これは私も貴方もみーーんな、です。


そうすることでちょっとずつ、より深い、より広い、まぁるい心をもった優しい人に、成長・成熟していきたいと思います太陽




「影(シャドウ)」の肩代わり_a0237268_13403397.jpg



by kktreasure | 2018-07-11 12:16 | 心の話

あなたの物語を大切にするカウンセラー郷家あかりの日常


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