半世紀ぶりのミツコ   

2018年 10月 18日

私は生まれ育った町に今も住んでいるのですが、きのう、自宅最寄り駅の改札を出たところで、小学校に入って間もない頃に私のことをいじめていたイイダミツコ(仮)を見かけました。


(うわぁ~、イイダミツコだぁ…ガーン 元気で生きてたかぁ…キョロキョロ


イイダミツコは ひとつ年上、特別支援クラスに通う女の子でした。

ミツコは学校からの帰り道、私が友だちと別れて一人きりになって歩く家までの一本道に よく立っていました。

その道を通らないと家には帰れなかったものですから、遠くにミツコを見かけると、私は絶望的な気持ちになりました。



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目を合わさず通り過ぎようとする私に、ミツコは必ず近づいてきて私に絡み、難癖をつけてきたり、ランドセルを下ろして中身を見せろと言ったりしたんですよね。


今思えば ちょっと大柄で目つきが悪かったとはいえ、左足が悪くて何時もひきずって歩いていたし、知能だって普通じゃなく、たどたどしい口調でわけのわからないことを言っているような子でした。


だから、従わなくたって平気だったはずだし、いくらだって逃げられたと思うし、ハッキリ、あっちへ行けとかあんたのお母さんに言いつけるよとか、言えばよかったんですけど…


なんでだろう、とにかく私はミツコが怖くて、一切反抗できず、言いなりになっていたんですよね。

(これ、子どもたちに言ったら「お母さんが? いじめられた? 怖かった? 信じられん!」と言って笑いこけると思いますが…真顔




あるときミツコは、私がランドセルの中に入れていた小銭入れの中から、30円を取り出して帰って行ってしまった、ということがありました。


帰宅して母にそれを話すと、母は私に「これからイイダさんちへ行くよ」と言ったものだから、私は「よし、これでイイダミツコはこっぴどく叱られる。そしてこれからは私をいじめなくなるに違いない。よかったよかった」と思ったのですが…


母がミツコの家でミツコの母親に何を言ったか…

「ミツコちゃんが 娘から30円を借りて行ったみたいなんですけど、返してもらうことはできるかしら…?」

「すいませんね。なんかこの子が取られたとか言うもんだから、ほんと、すいません」


びっくり!?


ミツコ本人は取ったことを認めてるのに、お母さん、なんで したでに出てる? 

なんで謝る? 

なんで「これからも仲良くしてやってね」とお願いしてる?


……ダメだこりゃ。ほんと、ダメだこりゃ。そう思いましたっけ。


その後も大人になるまで、「母は私を庇わない、他人から守ってくれることはない」ということを思い知らされる出来事は幾つも起きましたが、この「イイダミツコに30円取られた事件」は、とにかく衝撃でした。いつまでも忘れられませんでした。



私は40になる頃まで、かなりの生きづらさを感じて生きていましたが、そのことをどうにかしようと考えて取り組み始めた時に よく行き当たったのが、この「母は私を庇わない、他人から守ってくれることはない」(=そんな私は誰にも愛されないに違いない。そんな私に価値はない)という思い込みでした。


何かを達成しても成功体験をしても、たくさんの人が認めてくれたり褒めてくれたりしても、なぜか私はビクビクしていました。いつも緊張していました。


どうやっても、自分はこれでいい、などとは思えず、不安で仕方ありませんでした。

世界を、他人を、何より自分を、「信頼」していなかったんだなぁと思います。



でも昨日、半世紀ぶりにイイダミツコを見かけたことでいろいろ甦りました。


かなり時間はかかってしまったけど、「私は私でいい」「とにかく生きればいい」に辿り着けたんだなぁ私は…、一生懸命やったよね…、と しみじみ思ったのでした。



イイダミツコ、相変わらず足を引きずりウロウロしてました。知らない人に話しかけて避けられてました。


なんだか、寂しそうに見えました…ブタネコ


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by kktreasure | 2018-10-18 14:50 | 私の話 | Trackback | Comments(0)

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